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2015年5月30日土曜日

非結核性抗酸菌症の新しい抗生物質

新しい、と言っても以前私のブログにも書きました「Sirturo」のことです。
この薬はペダキリンという名前や、bedaquilineとかR207910とか、
TMC207とか、いろんな呼び方をされています。
私がブログに書いた時は、
耐性菌になった結核の治療薬として海外で承認された、ということでしたが、
今回私が見つけた記事には、
非結核性抗酸菌症のMACやカンサシの殺菌にも有効、と書かれていましたので、
再度この薬について書きたいと思います。

すでに海外では人間の結核治療に使われていますが、
非結核性抗酸菌症に対する安全性は確率はされていません。
しかし、それらの研究はすでにされていて、
この記事では、マウスでの実験で、MACとカンサシの殺菌の効果を確かめた、
と書かれています。
やった~。

またこちらには、この薬は、非結核性抗酸菌症のほとんどの菌種に抑制作用があった、
とも書かれています。
http://aac.asm.org/content/51/11/4202.long
この記事には非結核性抗酸菌症についての研究がいくつか書かれています。
非結核性抗酸菌症の人への試験がはじまるのも
時間の問題かもしれません。

この抗生物質の副作用は、ないわけではありませんが、
抗生物質の効かない耐性菌は、すぐにも命に関わる病気なので、
その症状に対しては、そんなに気にすることはない副作用、という感じです。
主な副作用は、悪心、関節痛、頭痛、喀血、胸痛です。
薬の使用中には、心電図を監視する必要があるし、
その他の抗生物質とあわせて少なくとも3剤で処方する。
また、家で薬を飲む、という形ではなく、入院して観察しながら投与、ということです。

アメリカでも、元気な人に処方はしないでしょうね。
でも、そのうちに、今まで使っていた抗生物質に耐性ができてしまった患者さんには、
特効薬として使われるようになるかもしれません。
いつものように、日本では承認されていませんので使えませんが・・・

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